やっぱり、海外で暮らしたい! 【海外生活10年突破】

語学留学、海外就職、国際結婚等、何の取り柄もない僕が外国で普通に暮せるようになるまでの10年の記録、そして、これからについて綴っています。

会社を辞めて中国留学 vol.5

そして、ついに学校へ到着。


出来たての高速道路が走る幹線道路沿い。
校舎はレンガ作りで新しい。
入口には芝生があって、
いかにも大学らしい雰囲気だった。



「案外、発展してるなあ」と思いながら中を見ると
既に人だかりになっていた。


校舎のそばにプレハブ小屋が並んでいて、その側で入学手続きをしていた。
皆、大きな荷物を抱えているので、すぐにそれと分かった。
そこには、500人くらいの名前が張り出されていた。
上に「留学生」の文字が見えたので自分の名前を探した。



名前がない。
僕と同じ苗字は2つ、だがどちらも名前が違う。
っていうか、読めない・・。
書き間違えか?
それとも、場所を間違ったのか?


そういえば、入るとき学校の名前すら見てなかったのだ。
正門に確認しに行こうと動き出そうとしたとき、
「どうしたん?」、声をかけられた。
女性の声だった。しかも関西弁の。


心細そうにしてるのが、背中で伝わったのだろうか。
「助かった!」と思った。

僕「名前が見つからないんです・・。」

彼女「パスポートある?」

彼女に渡す。張り出された紙を見て探し始める。

「あるやん、ここに。」

「これ?」

僕の名前とは似ても似つかない、
焼き鳥を象形文字にしたような漢字?だった。
(中国の漢字は簡体字なので、我々が普段目にする漢字とは結構違うのである。)

彼女「中国語、ちょっとくらいしゃべれる?」

僕「全然。数字は、1から5くらいまで・・」


彼女は、「最近、そういう人多いねん。」と言い、
面倒くさそうにしながら、入学手続きを手伝ってくれた。


旅行代理店から届いた書類を渡しパスポートで本人確認、
学生証と宿舎の申込書を受取った。
それから、宿舎の手続きに行けと言われた。


指差された方向を見ると、そこは先程のプレハブ小屋だった。

「歩くとこないやん。」
彼女はそう言いながら、水たまりを避けながら歩いていった。
そう、舗装すらされていない、泥道なのである。


そこで、受付にさっきの紙を渡すと、部屋番号と鍵を渡された。
部屋というか、部屋番号のプレハブに着くと、そこには既に誰かいた。
高校生くらいの男の子と、その両親だった。


ボロボロのトイレとシャワーの蛇口が上の方についている、。
敷居も何もない。しかも、湯が出ない!
中を見ると、ベッドはベニヤ板に薄い布団を一枚敷いただけ。
しかも臭い・・。窓には何本も鉄格子が・・。


彼女に「刑務所みたいやな、とりあえず荷物置いて出よ」と言われ、
外に連れ出された。