会社を辞めて中国留学 vol.2
大学時代、海外との仕事に関わりたいと思いながら英語も話せず、
安定してて、将来独立できるかもって安易な考えで決めた住宅業界への就職することに。
そこは、ゴリゴリの営業マンの世界だった。
商品やサービスの善し悪しなど関係なし。
口八丁手八丁で売り捌くのが仕事。
そんな日々が4年も続いた。
休みも返上、ダラダラと続く長い勤務時間、もう限界だった。
この先どうなるのか?考えて答えが出るはずもなく、
仕事も私生活も益々すさんでいった。
一度すべてをリセットしたい衝動にかられ、会社を辞めることにした。
もちろん何の当てもなかった。
その頃、会社の状況もよくなく、リストラされる様子を目の当たりにすることもしばしば。
そのうち俺もあんな風に捨てられる、そう思ったとき、人生をやり直したいと思った。
それから、親父に辞めると告げた。結局相談できる相手は親父しかいなかったのだ。
息子から会社を辞めると聞いた親父は、止める素振りはまったくない。
うんうんとうなずいてから一言、中国へ行ってこい。海外行きたかったろ、おまえ。
この一言で、昔、海外に行きたい自分を思い出した。
なぜ海外に行きたかったのかは覚えてない。
以前、タイや香港へ行ったとき、無性にワクワクした。
ギラギラしたネオン、街に活気があって、危なそうな、なんかカオスな感じ、
あの強烈な感覚を思い出した。
俺、上海行ってくるわ。言葉覚えてくる。
そう言って、僕の中国上海行きが決まった。
なぜ上海かというと、親父が読んでた雑誌に上海の記事が載ってたから。
邱永漢さんのコラムだった。